京都大学 大学院 理学研究科
物理学・宇宙物理学専攻
2020年度 I-2B (量子力学)




(1)

与えられたシュレディンガー方程式に $\Psi(x,t)=e^{-iEt/\hbar} \phi(x)$ を代入して整理すると、次を得る: \begin{align} E \phi (x) &= - \frac{\hbar^2}{2m} \phi^{''} (x) + V(x) \phi(x) \\ \therefore \ \ \frac{\hbar^2}{2m} \phi^{''} (x) &= \left( V(x) - E \right) \phi(x) \end{align} $x_1 \lt 0 \lt x_2$ について、上の式を $x_1$ から $x_2$ まで積分すると、 \begin{align} \frac{\hbar^2}{2m} \left\{ \phi^{'} (x_2) - \phi^{'} (x_1) \right\} &= \int_{x_1}^{x_2} \left( V(x) - E \right) \phi(x) dx \\ &= - E \int_{x_1}^0 \phi(x) dx + (V_0-E) \int_0^{x_2} \phi(x) dx \end{align} である。 $\phi(x)$ は有界であるから、 \begin{align} \lim_{x_1 \to -0} \int_{x_1}^0 \phi(x) dx = 0 , \ \ \lim_{x_2 \to +0} \int_0^{x_2} \phi(x) dx = 0 \end{align} なので、次を得る: \begin{align} \lim_{x_1 \to -0} \phi^{'} (x_1) = \lim_{x_2 \to +0} \phi^{'} (x_2) \\ \end{align} すなわち、$\phi^{'} (x)$ は $x=0$ において連続である。

同様にして、$\phi^{'} (x)$ は $x=a$ においても連続である。

(2)

次のようにおくことができる: \begin{align} \phi(x) = \begin{cases} e^{ikx} + R e^{-ikx} &( x \leq 0 ) \\ A e^{\beta x} + B e^{- \beta x} &( 0 \leq x \leq a ) \\ T e^{ikx} &( a \leq x ) \end{cases} \end{align} ここで、複素数 $R,A,B,T$ は次のような接続の条件から決めることができる。

$x=0$ における $\phi(x), \phi^{'}(x)$ の連続性から次を得る: \begin{align} 1+R=A+B , \ \ ik-ikR= \beta A - \beta B \end{align} $x=a$ における $\phi(x), \phi^{'}(x)$ の連続性から次を得る: \begin{align} A e^{\beta a} + B e^{- \beta a} = T e^{ika} , \ \ \beta A e^{\beta a} - \beta B e^{- \beta a} = ik T e^{ika} \end{align} これを $T$ について解くと、次を得る: \begin{align} T = \frac{2ik \beta e^{-ika}} { - (\beta^2 - k^2) \sinh \beta a + 2ik \beta \cosh \beta a } \end{align}

よって、透過率は次のようになる: \begin{align} |T|^2 &= \frac{4 k^2 \beta^2} {4 k^2 \beta^2 + (\beta^2 + k^2)^2 \sinh^2 \beta a } \\ &= \frac{1} { 1 + \frac{(\beta^2 + k^2)^2}{4k^2 \beta^2} \sinh^2 \beta a } \end{align}

(3)

$\beta a \to \infty$ のとき、 $ \sinh \beta a \to \infty $ であるから、 $|T|^2 \to 0$ となる。