$A$ の固有値を $\lambda$ とすると、 \begin{align} 0 &= \det \begin{pmatrix} -1-\lambda & 1+a & -2 \\ 0 & 1-\lambda & 0 \\ 4 & 1-a & 5-\lambda \end{pmatrix} \\ &= (1-\lambda) \det \begin{pmatrix} -1-\lambda & -2 \\ 4 & 5-\lambda \end{pmatrix} \\ &= (1-\lambda) (\lambda^2 - 4 \lambda + 3) \\ &= -(\lambda-1)^2 (\lambda-3) \\ \therefore \ \ \lambda &= 1, 3 \end{align} を得る。
$A$ の最大の固有値 $\lambda_1 = 3$ に対する固有ベクトルを求めるため、 \begin{align} \begin{pmatrix} -4 & 1+a & -2 \\ 0 & -2 & 0 \\ 4 & 1-a & 2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix} \end{align} とおくと、 $y=0, 2x+z=0$ を得る。 したがって、 $\lambda_1=3$ に対する $A$ の固有空間は1次元であり、その基底は、例えば、 \begin{align} \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -2 \end{pmatrix} \end{align} である。
$\lambda_2 = 1$ であり、 \begin{align} (\lambda_2 E - A)^2 &= 4 \begin{pmatrix} -1 & -1 & -1 \\ 0 & 0 & 0 \\ 2 & 2 & 2 \end{pmatrix} \end{align} である。 この行列のランクは $1$ なので、 $f$ の核の次元は $2$ であり、 $f$ の像の次元は $1$ であることがわかる。
$A$ が対角化可能であるための条件は、固有値 $\lambda_2=1$ の固有空間が2次元であることである。 固有値 $\lambda_2 = 1$ に対する固有ベクトルを求めるため、 \begin{align} \begin{pmatrix} -2 & 1+a & -2 \\ 0 & 0 & 0 \\ 4 & 1-a & 4 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix} \end{align} とおくと、 \begin{align} -2x+(1+a)y-2z = 0 \tag{a} \\ 4x+(1-a)y+4z = 0 \tag{b} \end{align} を得る。 (a) $\times 2$ と (b) の両辺を足すと、 \begin{align} (a+3)y = 0 \tag{c} \end{align} を得る。
(i) $a \ne -3$ のとき、 (a), (b), (c) より $y=0, x+z=0$ となるので、 固有値 $\lambda_2=1$ に対する固有空間は1次元であり、 $A$ は対角化可能でない。
(ii) $a = -3$ のとき、 (a), (b), (c) より $x+y+z=0$ となるので、 固有値 $\lambda_2=1$ に対する固有空間は2次元であり、 $A$ は対角化可能である。
(i), (ii) より、 $A$ が対角化可能であるための条件は $a=-3$ である。
$a=-3$ のとき、 \begin{align} P &= \begin{pmatrix} 1 & 1 & 1 \\ -1 & 0 & 0 \\ 0 & -1 & -2 \end{pmatrix} \end{align} とおくと、 \begin{align} P^{-1} &= \begin{pmatrix} 0 & -1 & 0 \\ 2 & 2 & 1 \\ -1 & -1 & -1 \end{pmatrix} \\ P^{-1} A P &= \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 3 \end{pmatrix} \end{align} であり、 \begin{align} A^n &= P \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 3 \end{pmatrix}^n P^{-1} \\ &= P \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 3^n \end{pmatrix} P^{-1} \\ &= \begin{pmatrix} 2-3^n & 1-3^n & 1-3^n \\ 0 & 1 & 0 \\ 2 \cdot 3^n - 2 & 2 \cdot 3^n - 2 & 2 \cdot 3^n - 1 \end{pmatrix} \end{align} を得る。