京都大学 大学院 理学研究科
化学専攻
2023年度 物理学 基礎




問 A

$-V/d$

問 B

$\vec{v} \times \vec{B} = (v_yB, -v_xB, 0)$ なので、 $x,y$ 成分の運動方程式は \begin{align} \frac{d}{dt} v_x &= \frac{-e}{m} \left( - \frac{V}{d} + v_yB \right) \\ &= \omega A - \omega v_y \\ \frac{d}{dt} v_y &= \frac{-e}{m} \left( - v_xB \right) \\ &= \omega v_x \end{align} となる。

問 C

虚数単位を $i$ とすると、問 B の運動方程式から、 \begin{align} \frac{d}{dt} (v_x + iv_y) &= \omega A - \omega v_y + i \omega v_x \\ &= i \omega (v_x + i v_y - iA) \end{align} が得られるので、 $\xi = v_x + iv_y - iA$ とおくと、 \begin{align} \frac{d}{dt} \xi &= i \omega \xi \end{align} となるので、これを積分すると、 \begin{align} \xi &= c e^{i \omega t} \ \ \ \ \ \ \ \ ( c \text{ は積分定数 } ) \end{align} を得る。 $t=0$ のとき $v_x=0, v_y=0$ であり $\xi=-iA$ であるから、 $c=-iA$ であり、 \begin{align} \xi &= -iA e^{i \omega t} \\ \therefore \ \ v_x + iv_y - iA &= -iA \left( \cos \omega t + i \sin \omega t \right) \\ \therefore \ \ v_x + iv_y &= A \sin \omega t + iA \left( 1 - \cos \omega t \right) \end{align} となって、式 (6), (7) が得られる。

問 D

式 (6) を積分すると、 \begin{align} x = - \frac{A}{\omega} \cos \omega t + c \ \ \ \ \ \ \ \ ( c \text{ は積分定数 }) \end{align} となるが、 $t=0$ のとき $x=0$ であるから、 $c=A/\omega$ であり、 \begin{align} x = \frac{A}{\omega} (1 - \cos \omega t) \end{align} を得る。

問 E

(あ)

問 F

(a)

式 (8) によると $x$ の最大値は $2A/\omega$ であるから、求める $B_c$ は \begin{align} \frac{2A}{\omega} = d \end{align} が成り立つときの $B$ であり、 \begin{align} B_c = \frac{1}{d} \sqrt{\frac{2mV}{e}} \end{align} がわかる。

(b)

定常運動のとき、式 (10) は次のようになる: \begin{align} 0 &= \omega A - \omega v_y - \frac{1}{\tau} v_x \\ 0 &= \omega v_x - \frac{1}{\tau} v_y \end{align} 電子の速度方向とx軸とのなす角が45°になるということは $v_x=v_y$ ということであり、 2番目の式から、 $\tau = 1 / \omega$ を得る。