京都大学 経営管理大学院
2023年度 数学 第1問




1.

\begin{align} f(0) &= 1 \\ f'(x) &= 2 ( \sin x + 1 ) \cos x \\ f'(0) &= 2 \\ f''(x) &= 2 \left[ \cos^2 x - ( \sin x + 1 ) \sin x \right] \\ f''(0) &= 2 \end{align} なので、 $f(x)$ の2次までのマクローリン展開は \begin{align} 1 + 2 x + x^2 \end{align} である。

2.

\begin{align} \frac{\partial f}{\partial x} = - \frac{1}{x^2 y} , \ \ \frac{\partial f}{\partial y} = - \frac{1}{x y^2} \end{align} なので、曲面 $z=f(x,y)$ の点 $(\alpha, \beta, 1/(\alpha \beta))$ における接平面の方程式は \begin{align} z - \frac{1}{\alpha \beta} &= - \frac{1}{\alpha^2 \beta} (x - \alpha) - \frac{1}{\alpha \beta^2} (y - \beta) \\ \therefore \ \ z &= - \frac{x}{\alpha^2 \beta} - \frac{y}{\alpha \beta^2} + \frac{3}{\alpha \beta} \end{align} である。

3.

まず、 \begin{align} x \frac{dy}{dx} + y &= 0 \\ \therefore \ \ \frac{dy}{y} &= - \frac{dx}{x} \end{align} の一般解は \begin{align} y = \frac{A}{x} \ \ \ \ \text{( $A$ は任意定数 )} \end{align} である。 そこで、 $A(x)$ を適当な関数として、 $y = A(x) / x$ を与えられた微分方程式に代入して整理すると、 \begin{align} \frac{dA(x)}{dx} = x^2 \log x \end{align} となるので、 \begin{align} A(x) &= \int x^2 \log x \ dx \\ &= \frac{1}{3} x^3 \log x - \frac{1}{3} \int x^2 \ dx \\ &= \frac{1}{3} x^3 \log x - \frac{1}{9} x^3 + C \ \ \ \ \text{( $C$ は任意定数 )} \end{align} を得る。 したがって、与えられた微分方程式の一般解は \begin{align} y &= \frac{1}{3} x^2 \log x - \frac{1}{9} x^2 + \frac{C}{x} \ \ \ \ \text{( $C$ は任意定数 )} \end{align} であることがわかる。

4.

極座標 $ x = r \cos \theta , \ y = r \sin \theta $ を導入すると、 $dxdy = r dr d \theta$ なので、 \begin{align} \iint_D y dx dy &= \int_0^1 r^2 \ dr \int_0^\pi \sin \theta \ d \theta \\ &= \left[ \frac{r^3}{3} \right]_0^1 \left[ - \cos \theta \right]_0^\pi \\ &= \frac{2}{3} \end{align} がわかる。