公立はこだて未来大学 大学院
基礎数学
2022年度 A日程 I




問 1

与えられた行列 $A$ を列基本変形して、次のようにできる: \begin{align} \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ a+1 & -1 & a \end{pmatrix} . \end{align} よって、 $a \ne 0$ のときは $A$ の階数は $3$ であり、 $a=0$ のときは $A$ の階数は $2$ である。

問 2

(i) $a \ne 0$ のとき、 $\mathrm{Ker} (f)$ は $0$ 次元であり、 \begin{align} \mathrm{Ker} (f) = \left\{ \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix} \right\} \end{align} である。

(ii) $a=0$ のとき、 $\mathrm{Ker} (f)$ は $1$ 次元である。 \begin{align} \begin{pmatrix} 1 & 1 & 0 \\ 1 & 0 & -1 \\ 0 & -1 & -1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix} \end{align} とおくと $x=-y=z$ であるから、 \begin{align} \mathrm{Ker} (f) = \left\{ t \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \\ 1 \end{pmatrix} \middle| t \in \boldsymbol{R} \right\} \end{align} である。

問 3

(i) $a \ne 0$ のとき、 $\mathrm{Im} (f)$ は $3$ 次元であり、 $A$ を構成する3つの列ベクトル \begin{align} \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ a \end{pmatrix} , \ \ \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -1 \end{pmatrix} , \ \ \begin{pmatrix} a \\ -1 \\ -1 \end{pmatrix} \end{align} は $\mathrm{Im} (f)$ の基底である。

(ii) $a=0$ のとき、 $\mathrm{Im} (f)$ は $2$ 次元であり、 $A$ を構成する3つの列ベクトルのうちの2つ \begin{align} \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix} , \ \ \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -1 \end{pmatrix} \end{align} は $\mathrm{Im} (f)$ の基底である。