東北大学 大学院 工学研究科
電気・情報系
2023年8月実施 基礎科目 問題4 情報基礎2




(1)

(a)

(i) $f( A_1 \cap A_2 )$ が空集合の場合は、明らかに $f( A_1 \cap A_2 ) \subseteq f(A_1) \cap f(A_2)$ である。

(ii) $f( A_1 \cap A_2 )$ は空集合でないとする。 任意の $y \in f( A_1 \cap A_2 )$ について、 $ y=f(x) $ であるような $x \in A_1 \cap A_2$ が存在する。 この $x,y$ について、 \begin{align} x &\in A_1 \text{ より } y=f(x) \in f(A_1) ,\\ x &\in A_2 \text{ より } y=f(x) \in f(A_2) \end{align} が成り立つから、 $y \in f(A_1) \cap f(A_2)$ である。 よって、 $f( A_1 \cap A_2 ) \subseteq f(A_1) \cap f(A_2)$ である。

(i), (ii) より、 $f( A_1 \cap A_2 ) \subseteq f(A_1) \cap f(A_2)$ である。

(b)

\begin{align} f &: A = \left\{ -1, 1 \right\} \to B = \left\{ 1 \right\}, \ \ x \mapsto x^2 \end{align} とし、 \begin{align} A_1 = \left\{ -1 \right\} ,\ \ A_2 = \left\{ 1 \right\} \end{align} とすると、 \begin{align} A_1 \cap A_2 &= \emptyset \\ \therefore \ \ f(A_1 \cap A_2) &= \emptyset \end{align} であり( $\emptyset$ は空集合)、 \begin{align} &f(A_1) = \left\{ 1 \right\} , \ \ f(A_2) = \left\{ 1 \right\} \\ \therefore \ \ &f(A_1) \cap f(A_2) = \left\{ 1 \right\} \end{align} であるので、 $f( A_1 \cap A_2 ) \neq f(A_1) \cap f(A_2)$ である。

(2)

(a)

\begin{align} (g \circ f) (a) = (g \circ f) (b) \end{align} とすると、 \begin{align} g (f(a)) = g (f(b)) \end{align} であり、 $g$ が1対1の写像であることから \begin{align} f(a) = f(b) \end{align} がわかり、さらに $f$ が1対1の写像であることから \begin{align} a = b \end{align} がわかる。 したがって $f \circ g$ は1対1の写像である。

(b)

$g$ が上への写像であることから、任意の $c \in C$ に対して \begin{align} g(b) = c \end{align} であるような $b \in B$ が存在する。 さらに、 $f$ が上への写像であることから、この $b \in B$ に対して \begin{align} f(a) = b \end{align} であるような $a \in A$ が存在する。 したがって、任意の $c \in C$ に対して \begin{align} (g \circ f) (a) = c \end{align} であるような $a \in A$ が存在するので、 $g \circ f$ は上への写像である。